台風で壊れた屋根をDIYで直しました。
はじめに
家回りの設備の老朽化や破損部位で、直さなければならないものは、これまで全部自分で直してきました。
昔から工作系は好きだったことで作業に対する抵抗がないというのもあるのですが、亡くなった義父(親方のお父さん)が全能に近い職人で、家にあるもののうち家電製品の修理と車整備以外ならなんでもできる人だったため、結婚後一番弟子としていろんなことを教えてもらって自分で何とかできるようになったのでした。レベルは相当低いですけどね(笑)
昔のこういうひとは、ものづくりや修繕の知識の宝庫。手作業が下手くそでも何度もやれば慣れて上手になりますが、重要なのは経験に基づく「知らないと絶対うまくいかないTips」のようなコツみたいなものが、何をするにもあるじゃないですか。それを教えてもらうのが面白くて、よく相談しました。
今回の台風被害は、倉庫のトタン波板の屋根・シャッター収納部、母家の瓦屋根・軒天・雨樋、隣接プレハブのブリキ屋根と、ほとんど屋根まわりです。それだけ、屋根というのは家の中でも風当りが強い部分なんですよね。
波板の施工は、2年前に母家と倉庫の間に設置した日よけ屋根で経験済み。ポリカーボネートの割れやすい波板ですが、今回の台風でも被害はほぼ皆無でした。貼り方自体はポリカでもガルバ(ガルバリウム鋼材の波板)でも一緒なので、今回も、材料を調達して自分で直しました。
破損の状況と修繕後の比較
倉庫の屋根
トタンがボロボロです。
貼り替えました。こっち側7枚、向こう側2枚。
貼り替え作業は、実際にトタンを貼るまでが長いのです。
ここのトタンは9尺(約270cm)というサイズ。横幅は約90cm(横に重ね貼りしていくので有効長は約60cm)です。目測で11枚買ったんですが1枚余りました。他に、トタンを貼るための傘釘をamazonで箱で調達。
実際に屋根の貼り直し作業は、内部から脚立でやるほか、外側から母屋側の日除けのポリカーボネート波板の上を足場にするため、コンパネ(厚さ約1cmちょっとの合板)を5枚買って日除けの上に敷きました。他にも、汎用材料として5ミリ厚ベニヤ板4枚、杉垂木ほか各種木材(4m)を合計約20本などを合わせて購入しました。
作業はまず、ボロボロになったトタンの残骸を全部剥がさなければならないのと、残った釘の撤去です。中途半端に残った残骸を除去したり片づけたりするのは、一から作るよりもずっと手間がかかります。バールや金槌などで叩き壊したりしながら、波板の残骸を全部取りました。
それから骨組みの木材に残っている釘を全部抜くんです。残っている釘は7~9cmの傘釘で、1mくらいの大きなバールじゃないと抜けません。
脚立の上で「テコの原理」を使うのは、常に前後左右に体重加重がかかるので脚立が揺れて怖くて怖くて。結局、このくぎ抜き作業は親方がいるときに脚立を押さえてもらってやらなければなりませんでした。
錆びた釘なのでなかなか抜けないんです。1回だけ、自分の顔の方にこじったら、抜けた瞬間右側頭部にバールが当たって目から火花が飛びました。しばらく血が滲んでしまいましたが、大事には至らなかったもののタンコブができました。
やっぱり、『バールのようなものでやられたら死ぬよなぁ』と親方と笑いましたが、笑い話で済んでよかったです(^▽^;)
作業はさらに、骨組みの木の状態が悪いところに新しい材木を入れたり、修繕、補強などを行いました。この倉庫の骨組みの材木は、最大で15cmの釘(いわゆる5寸釘)を打つのですが、ちょっとした工作用のカナヅチだと全然役者不足で力を入れて打ち込まなければならないので曲がるしすごい疲れるため、ヘッドの重たいカナヅチを買い足しました。
これは大正解で、その後の釘打ち作業が飛躍的に楽になりました。
壁の上の骨組みの木まで、白アリにやられている部分もありました・・・
こんな感じで、骨組みを全部綺麗に整えた状態で初めてトタンを貼ることができるんです。
両側合わせて9枚貼りましたが、脚立と外の足場を何十回もいったり来たりして、1枚貼るのに20分弱くらいかかりました。
新品のトタンは、錆びて薄くなったものより厚みがあって重いです(^_^;)
材料の調達から貼り終わりまで、2週間以上かかりました。
倉庫シャッターの収納箱
シャッターの上、ガラガラっと巻いて収納する部分。下の鉄板が取れてどっかに行ってしまい、全面もプラプラでした。
金属加工はできないため、周りに木枠を組んで収納箱を固定し、底には波板をネジ止めで貼りました。
これも、ヘタしたらシャッターが開かなくなる/閉まらなくなる原因なので、早急になんとかしました(笑) 文字通り直したというよりなんとかした、という表現が近いです。木枠で挟んで底も貼って色を塗りました。
今回購入した材木のほか、在庫のコンクリートアンカー、同ねじ、波板、ペンキを使いました。
母屋の瓦
最初、壊れていることに全然気づかなかったのです。なぜなら下から見ると・・・
こんな感じで瓦の状態が見えないんですよね(^_^;) 松、雰囲気は良いよ松!w
そこで、脚立を立てかけて間近で見てみると・・・
当初はもっとズレが激しかったんですが、直す前に写真を撮り忘れたので一応所定の位置に瓦が落ち着いていますが、脱落しそうなくらいズレている部分もありました。
写真、見づらくてごめんなさい。半分から左のグレーのが速乾セメントで、右側の真っ白なのが防水セメント(白)。速乾の方はふつうにセメント色なので上塗りしないと格好悪いですね!
瓦というのは本来1枚1枚重ねてあって固定したり密封してはいけないのですが、うちの屋根瓦はムチ(しっくい)またはセメントで固定して断熱塗料を全面塗装して一体化させてます。
修復のために用意したセメントは合計約10kg。いつも使っている防水セメントの白とあわせて、速乾セメントというのも買ってみました。
しかしこれが失敗で、速乾セメントは水と混ぜて塗り始めたとたんにどんどん固くなってしまい、綺麗に塗ることができませんでした。乾燥時間は約60分と書かれていたけど、15分くらいでヤバいくらい固くなってしまうので塗れません(^▽^;)
慣れない作業で手が遅いのが原因なんでしょうかね(^_^;) それに比べて、防水セメントは塗りやすいの一言。
もともと防水セメントはキメが細かいので、そのせいもあるのでしょうが。全部防水セメントにすれば、作業もスムーズに進んだのにな~。
左官やペンキ塗りは、何度やってもプロのような綺麗な仕上がりにはなりません。古い家で見栄えを気にしなくて済むのである意味良かったです(笑)
いちばん高かったのは脚立(笑)
今回の作業で購入した材料や道具で一番高価だったものは、何でしょう?
答えは脚立です。2m以内のサイズのものなら買いやすい値段なんですが、それでは倉庫の屋根の頂点に届かないので3mのものを買いました。実作業限界高度は約4m。定価2万8,500円+税ですよ!高っ!!
ホームセンターで材木やらトタン板を調達するときにずっと同行してくれたお店のおじさん、私がちょっと悩んでから『この脚立買います』と言ったら「え。買います?」ってびっくりした顔して言いました。「単品でいちばん高いですね(汗)」って。ふつう買わないですよ。いらないもん、こんなでかくて高い脚立なんか(笑)
でも、無いと、はつりやトタン貼りの際の足場が無い=作業できない。なので買ったんです。仕方ない・・・(^▽^;) ラッキーだったのは、売り場に陳列してあるときに値札2万3,800円ってついてて、価格変更前の値札だったらしいんだけど、結局その値段で売ってくれました。約5千円値引きしてくれたような感じですね(*^_^*)
で、うちには前から1m80cmの脚立はあるんだけど、こんなでかい脚立を使うのは初めて。
ひとりしかいない状態で、上から3段目、これは限界高度で、これ以上上のステップには上がったら駄目と説明書に書いてある高さですが、そこまで登ってみようと思ったら、揺れて怖くて無理だった(笑) 高さはあるのに、前からある小さい脚立より剛性が低いのです(゚ロ゚ノ)ノ
そこから一段降りるとかなり安心感が変わるので、単独作業は上から4段目まで、親方が下で押さえることが出来る時はさらに上までのぼって作業しました。
高いところは嫌いなので、なかなかの苦痛でしたけどやらなきゃ仕方ないからなぁ。
今回の費用、建材、トタン、道具、セメントその他もろもろで約10万円強でした。業者にお願いしたら3~4倍?もっとかかるかなぁ。仕上がりは断然綺麗でしょうけどね(笑)
過電圧による電気製品の焼損等も同時に起き、そっちが取得価額で全部で約40万円超。これはまだ補償交渉継続中です。
今年はもう台風来ないよね~。11月だしねぇ~。もう勘弁してほしいですよね・・・。
いやいや、もぅ素人仕事じゃなくてプロじゃないですか(゜_゜;)
ガッツリ素人のアタシなら、ただ家の前に立ち尽くすのみです絶対( ̄▽ ̄;)
トタン貼るだけならなんのことないのかもしれませんが、何にしても、あったものを無くして新たに作るってなるとなかなかな労力ですよね(´・ω・`)
ホントにお疲れ様でしたm(__)m
いえいえ、全然素人です(^_^;)
曾龍さんなら、ひとしきり立ち尽くした後にモーレツな勢いで作業始めそうな気もしますが・・・
ほら、今度棚も作るんでしょ?大工デビューですよね!?(笑)
そうそう、トタンは貼るのは楽ではないけど難しくないんです。だんだんと出来ていく喜びもありますし。
面倒で大変で危ないのは、現状を整える事前作業ですね。何と言っても被害そのものを目の当たりに作業するたけですから、気持ちを維持するだけでも相当な労力を使いました(^▽^;)